C7. 問いの力「創造を促す問い」

コーチングは「まだ存在しない未来」を共に描く力

コーチングの対話は、過去の分析や課題解決にとどまりません。それは、クライアントと共にまだ見ぬ未来を描き出す創造のプロセスです。講座では、これまでの「気づきを生む問い」からさらに一歩進み、クライアントが新しい自己像や可能性を創り出すための問いを探求します。
問いとは、可能性の扉を開く鍵です。そして、創造的な問いとは、クライアントの中にある未来への衝動を目覚めさせる光です。

創造を促す問いの本質 ― 「何をしたいか」ではなく「どう在りたいか」

多くの人は、「何をするか」を考えることで未来を描こうとします。しかし、行動の背後には必ず「どう在りたいか」という存在の意図があります。創造を促す問いは、このBeing(在り方)レベルの意識に働きかけるものです。
たとえば、
「その目標の背景にある、あなたの願いは何ですか?」
「その未来を生きるあなたは、どんな存在でいたいですか?」
このような問いは、クライアントを“Doingの世界”から“Beingの世界”へと導きます。
講座では、ICFコア・コンピテンシーC-7(クライアントの気づきを促す)をベースに、未来志向・価値志向・存在志向の3つの視点から問いをデザインします。

想像力を刺激する「未来の問い」

創造的問いは、論理ではなく想像力を動かすことを目的とします。
「もし制限がなかったら、何をしてみたいですか?」
「あなたの成功は、どんな人たちを幸せにしますか?」
こうした問いは、思考の枠を越え、感情と直観の領域を呼び覚まします。
CBLアカデミーでは、アート思考・デザイン思考・リベラルアーツの要素を取り入れながら、クライアントの創造性を引き出す対話を実践します。
未来を「予測」するのではなく、「共に創る」、そのプロセスこそが、コーチングがもたらす最も人間的で希望に満ちた瞬間です。

「可能性のフィールド」を広げる

創造を促す問いは、クライアントの中に新しい現実の可能性を生み出します。
コーチが「どうせ無理だ」と思っている限り、問いには力が宿りません。一方で、コーチが「この人は必ず可能性を持っている」と心から信じているとき、その信念は、言葉を超えてクライアントに伝わります。創造的問いは、言葉の技巧ではなく、存在の深さから生まれるのです。

コーチングは「共同創造」

創造を促す問いを使うと、コーチングは問題解決の場から可能性の共創の場へと変わります。クライアントが語る未来を、コーチは評価せず、制限せず、ただ「信じて共に描く」。
その瞬間、二人の間に新しいフィールドが開かれます。
講座では、ビジョン・コーチングや価値観探求の演習を通じて、クライアント自身が「自分の人生の創造者」として立ち上がるプロセスを支援します。
コーチは導くのではなく、共に歩む存在です。この共同創造の姿勢が、プロフェッショナル・コーチの成熟を象徴します。

次のステップへ:問いから行動へ

「創造を促す問い」で生まれた未来のイメージは、次の「行動を導く問い」へとつながります。洞察を行動に変えるためには、クライアント自身が意志を持って動くことが不可欠です。創造的問いが心に火を灯し、行動の問いがその炎を現実に変えていきます。コーチングの問いは、人を変えるためではなく、人が自分の力に気づくためにあります。


2026年5月末に新刊『問いの力』をリリースします

コーチング思考から始める問いの力 五十嵐久

これまで多くの対話に関わる中で感じてきたことがあります。
「人は『答え』」で変わるのではなく、「問い」によって変わる」
正しい答えを探し続ける限り、思考は過去の延長に留まります。
しかし、本質的な問いに出会った瞬間、人はまったく違う景色を見始めます。
そのプロセスを言語化したのが、今回の新刊『問いの力』です。
この本が、あなた自身の問いを深めるきっかけになれば嬉しいです。


国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC
日本エグゼクティブコーチ協会認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久