C5. 問いの力「問いの基本構造と意図」

「問い」は、思考を開き、心を動かす

コーチングの本質は、答えを与えることではなく、問いを通してクライアント自身の叡智を呼び覚ますことにあります。
講座では、コーチングにおける良い問いとは何かを探求し、質問の背後にある「意図」と「意識の構造」を理解します。問いは単なる技術ではなく、関係性と信頼の上に成り立つ創造的なアプローチです。

問いは「意図」から始まる

同じ質問でも、意図が違えば効果はまったく異なります。
「なぜできなかったのですか?」という問いには、原因を追及するエネルギーがあります。一方で、「そこから何を学べそうですか?」という問いには、成長を促すエネルギーがあります。言葉の違いではなく、どんな意図で問うかが、クライアントの心を開く鍵なのです。講座では、「探求」「洞察」「創造」という3つの意図を整理し、状況に応じた問いのデザインを学びます。

探求:事実や背景を明らかにする
洞察:気づきを促す
創造:新たな未来を描く

コーチが意図を明確に持って問いを立てると、セッション全体に方向性と深みが生まれます。

良い問いの構造

コーチングでは、「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」を適切に使い分けることが重要です。
オープンな問い(例:「何が大切だと思いますか?」)は、クライアントの思考を広げ、自己探索を促します。
一方、クローズドな問い(例:「実行しますか、しませんか?」)は、焦点を絞り、行動を決定づけます。
講座では、対話のフェーズに応じて「問いの開閉」を自在にコントロールする練習を行います。また、問いの「タイミング」や「トーン」がどのようにクライアントの意識状態に影響を与えるかを体験的に理解します。

「問い」はコーチの在り方の鏡

良い問いを生み出すためには、言葉の技術よりも、コーチの意識の透明度が大切です。
焦りや期待を抱いたままでは、問いは相手を圧迫してしまいます。
一方で、コーチが静けさと信頼を持っていれば、たとえ短い一言でも、クライアントの心に深く響きます。
CBLアカデミーでは、「問う前に整う」ことを重視します。
呼吸・間・視線といった非言語的プレゼンスが、問いの質を決定づけるからです。
問いとは、相手に何かを尋ねることではなく、相手と共に「未知」を見つめる行為です。

次のステップへ:洞察を生む問いへ

「問いの基本構造と意図」は、次の「洞察を生む問い」へとつながります。
ここからは、問いを通じてクライアントが自らのパターンに気づき、思考の壁を越える
プロセスへと進みます。
問いは、クライアントの意識の扉を開く鍵です。
そして、その鍵を差し込む手の温かさこそが、コーチングの真価を決めます。


2026年5月末に新刊『問いの力』をリリースします

コーチング思考から始める問いの力 五十嵐久

これまで多くの対話に関わる中で感じてきたことがあります。
「人は『答え』」で変わるのではなく、「問い」によって変わる」
正しい答えを探し続ける限り、思考は過去の延長に留まります。
しかし、本質的な問いに出会った瞬間、人はまったく違う景色を見始めます。
そのプロセスを言語化したのが、今回の新刊『問いの力』です。
この本が、あなた自身の問いを深めるきっかけになれば嬉しいです。


国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC
日本エグゼクティブコーチ協会認定エグゼクティブコーチ
五十嵐 久